「四季」より『春』

春は命が芽生え、その喜びが空気中に放出されます。
それはもう喜びとエネルギーに満ち、
明るく暖かな気配があたりを包み込むものです。

しかし同時に、全てが不安定になり
一方で狂気さえ孕む危うさを内包しています。

少なくとも私にとっての「春」とはそうした歪みがある季節です。

副題は「立ち昇る狂喜」
花を舞い散らす狂った風
桜の木の下の死体か
生暖かさの中に肌の奥を指す冷気か
むせ返るような生命の息吹か
不安定になる自律神経か
そんな両極の要素が入り交じり巻き上がる嵐のようです。